ツアー感想 その②涙の理由 

ツアー感想 その②涙の理由 

ツアー感想の続き・・この前書いたような気持ちを特に強く感じるきっかけとなった出来事。
それは、はるさんの涙でした。

2万人規模のメインステージの後、もちろん気分は高揚していたものの泣く感じでもなく舞台裏に戻ったのですが。。
あ~良かった~と泣きながら駆け寄ってきたはるさんとハグしたら完全もらい泣きで私も涙止まらず(笑) …

そんな中でハッとした言葉がありました。
“一生懸命に寝ないで縫った青のドレスを着た皆がステージで輝いているのを見たら・・”という一言。
フィッターさんとしてお世話をして下さるはるさんしか意識していなかった私にとってその言葉は衝撃的で、私が知らなかったはるさんの時間と想いがその涙と言葉に詰まっている気がして。

青のドレスの生地は、人間国宝の染色家の方が特別に染め上げてくださったもの。
アンティーク生地なみの柔らかさを出したというその生地を見た栄子先生の、これミシンは絶対無理ね。。という呟きを私は聞いていました。
今回の公演の大トリを飾った、その超高価で繊細な青の生地から生まれたドレスたち。
はるさん、1人で4着分ものそんな生地と向かい合って、毎日毎晩いったい何千回何万回手を動かしてくださったんだろう。
途方もなく長く感じそうなその間、何を思いながら縫ってくださったんだろう。
今こうやって書きながらそれを考えただけで、また泣きそう(笑)

そして、そんなはるさんの言葉と涙に、関わって下さっている方みんな同じように思ってくださっているんだろうと感じました。
徹夜で、想いを詰め込んで、手で作品やヘアメイクを作りあげてくださった方々。
きっとヨーロッパまでご同行下さりその場にいてくださった皆様全て、
ご自身が手掛けて下さった作品やヘアメイクをまとった出演者がステージに上がる前には祈るような気持ちで見守って下さり、
お客様にお披露目となって客席から拍手が聞こえれば安堵し泣くほど感動してくださる。
現地にはいらっしゃれなかったものの作品やお力を提供下さり日本から応援して下さった方々も、
写真や映像などの記録でご自身の作品を何度も見返し、誇らしく思ってくださる。
そして栄子先生や大瀧さんにとっては公演全体が作品のようなものだろうから、きっと最初から最後までずっと祈り、見守り、万感の思いでいて下さったんじゃないかなとか。

同時にそれまでその想像力が足りなかった自分に反省。
自分がまとっている衣装たちにどなたが針を通してくださったのか、知らなかった。
お会いしたことの無い、名前も知らない方かもしれない。
これまでの公演を見に来てくださり、格別な想いでこの衣装とそれを着る私を見て下さっていたのかもしれない。
その方々に、お礼を言う機会はないのかもしれないけれど、少なくともその想いへの感謝の気持ちを噛み締めて舞台に立てていたかなと。

一緒にヨーロッパまで来てくださった方はもちろん、お会いしたことがない方々も膨大な時間を費やし、作品やご対応にその時間以上の想いを乗せて、それが重なってこのショーが形になったんだなと感じたら胸に込み上げるものがありました
日本から気に掛けてくださった方のメッセージや、同行して下さっている皆さんのブログ、facebook記事などでその想いに触れ、色んな想いをしょって舞台に向かう自分を改めて実感することができました。

気付くの遅って感じかもしれませんが、この学びをこれからは一時も忘れることなく、おいしいお料理がよりおいしく見える素敵なお皿のような(わかります?笑)、それまでの過程を作る多くの人の想いの結晶をより素敵に見せる役割を果たしていきたいなと思います。
分かっていても実際にそれを表現するのは難しいことだと思うけれど、まだまだこれから色々な経験を通して、理解しかけたことをちゃんと表に出せるようにしたい。気付けたことは大きかったです。

そんな機会を与えてくださったすべての皆様。。愛してます♪
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